2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

報道機関は、正確なエボラ報道を

これは、エボラ出血熱というよりは、「情報の伝え方」の話になります。 10/30のEbola WHO:リベリアでエボラ減速か?この記事は、WHOから発表された最新のエボラ出血熱情報の話です。正式な情報シートが出る前の口頭発表だと思われますが、発表の要点は「リ…

WHO:リベリアでエボラ減速か?

エボラ出血熱の最新の報告では、西アフリカでの今回の流行の死者がまもなく5000人を超える、とされています。感染者は既に10月23日の段階で1万人を超えていますが、今回の発表では数字が一気に1万3703人に急増していて目を疑いました。これは、前回の「23日…

マリはエボラ厳戒態勢を敷いた

この記事は、マリでエボラ出血熱の患者が出た、の続報です。先週の10月24日は、非常に短い時間の間に、アフリカのマリで初めてのエボラ出血熱患者が確認された、という報道と、ニューヨーク市でギニアでエボラ出血熱の治療活動を行った米国人医師が帰国後に…

ダラスの看護師のAmber Vinsonさんが退院

この記事は、看護師のAmber Vinsonさんがエボラフリーにの続報です。Vinsonさんは、ダラスのTexas Health Presbyterian hospitalの看護師で、米国で初めてのエボラ出血熱発症者となったリベリア人男性のThomas Eric Duncan氏の治療を担当し、その後にエボラ…

CDCの新しいエボラガイダンス

米国のエボラ出血熱対応は、医療支援の為に「エボラ被災地」である西アフリカでボランティアとして医療活動に携わっていたクレイグ・スペンサー(Craig Spencer)医師が、帰国後にエボラ出血熱を発症して以降、いささか不穏な動きが続いています。実際には、…

日本で「エボラ出血熱疑い」が出た

2014年10月27日 日本でも「エボラ出血熱の疑いがある」事例が報道されました。10月28日朝:陰性発表あり 羽田空港に到着したのは、40代男性 西アフリカのエボラ出血熱流行国に2ヶ月滞在 職業はジャーナリスト(患者との直接接触は無い) さて「羽田到着時に3…

ニューヨーク州知事が隔離方針を改定

国内で「西アフリカでの医療支援」から帰国した米国人医師がエボラ出血熱を発症した事をきっかけとして、米国の複数の州で「エボラ流行国(ギニア、リベリア、シエラレオネ)から帰国した医療関係者には、21日間の隔離措置をとる」、という政策が決定され即…

クレイグ・スペンサー医師が輸血を受けた

ニューヨーク市に在住する米国人であるクレイグ・スペンサー(Craig Spencer)医師は、エボラ出血熱の流行に見舞われているギニアでの医療活動にボランティアで参加し、その過程でエボラウイルスに感染し、米国に帰国後にエボラ出血熱を発症しました。彼がな…

エボラ迅速診断装置が緊急認可された

米国で発症した2人の看護師が、非常に迅速にエボラフリーになっている事から、一つの細胞に複数のウイルスが入り込んで増殖を始める、という異様なエボラウイルスの治療でも、早期診断と早期治療開始が生存率向上の鍵を握っている、という事がより一層明確に…

ダラスの看護師 Nina Phamさん退院

「幸運と祝福」を感じた先ほど、ダラスの看護師で、米国内で院内感染事故によりエボラウイルスに感染したニーナ・ファム(Nina Pham)さんが、国立衛生研究所(NIH)の臨床センターを退院し、記者会見を開いています。タイムテーブルで確認すると、ファムさ…

NYの「エボラ出血熱」の迅速対応が始まった

この記事は、NYで「エボラ出血熱」患者が出たの続報です。記事は、随時更新。24日23時更新終了。 ニューヨーク市で、「エボラ出血熱」が疑われる患者が出た為に、完全防護服を着用した救急隊員によって、「ニューヨークのエボラ専門施設」であるベルビュー病…

NYで「エボラ出血熱」患者が出た

まず、今回の話は、感染が確定していません。 でも、今回の疑い患者が出たのはニューヨークで、しかも「疑い」の為の条件がそろっています。追記:エボラ出血熱のテストは「陽性」です。感染が確認されました。現在、CDCによって、2回目の診断中ですが、ほぼ…

マリでエボラ出血熱の患者が出た

先日、米国で開始された「VRC 207」エボラワクチンの試験が、英国が続き、アフリカのマリ(Mali)という、今回の流行の震源地であり、現在もエボラウイルスが猛威を振るっているギニア(Guinea)の隣国で開始された事を伝える記事を紹介しました。わずか半月…

Amber Vinsonさんの回復が早かったわけ

直前の記事はダラスでの院内感染によってエボラ出血熱を発症した看護師のAmber Vinsonさんの家族が、彼女がエボラフリー、正確にはエボラウイルスの検査でエボラウイルスが検出されなかった、と発言した事を伝えるものでした。参考記事:看護師のAmber Vinso…

看護師のAmber Vinsonさんがエボラフリーに

続報:10/29 ダラス看護師のAmber Vinsonさんが退院Vinsonさんは、ダラスのTexas Health Presbyterian hospitalの看護師で、米国で初めてのエボラ出血熱発症者となったリベリア人男性のThomas Eric Duncan氏の治療を担当し、その後にエボラ出血熱を発症しま…

WHO:10月19日現在のエボラ感染者は9936人

WHOの報告書が出ています。 There have been 9936 EVD cases, and 4877 deaths, up to the end of 19 October.2014年10月19日現在 エボラ出血熱患者 9936人 エボラ出血熱死者 4877人 (WHOが把握した人数)この記事の続きを読む

Phamさんの犬はエボラではなかった

米国のダラスで、米国初のエボラ出血熱患者になり、その後に死亡したリベリア人男性、Thomas Eric Duncan氏の治療を担当し、その後に院内感染事故という形でエボラ出血熱発症者になったNina Pham看護師は、現在メリーランド州にある「米国国立衛生研究所(Na…

NBCのカメラマン 退院

リベリアでエボラウイルスに感染して米国に搬送された「Ashoka Mukpo」氏は、順調に回復し、3回連続で「ウイルス不検出」が確認されています。明日の朝に退院するよ、とネブラスカ州医療センターが発表しています。 10月23日 無事に退院ました。この記事の続…

[fav]MSFが「実験的薬物」での治療を開始する

国境なき医師団(MSF)が、来月にも「実験的薬物」での治療を開始する、と発表しています。非常に長いインタビュー記事ですが、プレスリリースなので全文です。MSFが動き出すなら、臨床試験が迅速に進む可能性は高くなります。彼らは、このエボラ出血熱の感…

ファビピラビルはノロウイルスにも有効か?

富山化学工業の抗インフルエンザ薬。 ファビピラビル favipiravir 商品名はアビガン Aviganファビピラビルは、最近ではすっかり「エボラウイルス対抗医薬品」候補として名前が知られるようになりましたが、実は2012年に出た「ノロウイルスへの有効性」のほう…

資料:塩素を飲んではいけません

「・・・? 何だそれ?」知識と思考能力が「普通」だと自認する場合、何を言われているのか理解に苦しむような文章ですが、実はCDC作成の大真面目な啓発パンフレット(?もしかしてポスター?)の表題です。対象になっているのが誰なのか、米国人ではない私…

痩せるときは一気にやせよう

昼ごはんが終わったであろう頃を見計らって記事を出します。私にとって「減量を試みる」というのは、身内達から「米を作っていないみそっかす」に新米が送られてくるこの季節に毎年めぐってくる行事です。今年は特に、ササが送られてきたので、悩みがより大…

スペインでの「ファビピラビル」の使用について

スペインで、看護助手のTeresa Romeroさんが、無事に「ウイルスフリー」の認定を受けた事で、その治療経過についての情報が出てきています。これまで治療にあたっている病院関係者から公開されていたのは次の二つの情報でした。 病気を克服した患者の免疫血…

資料:富士フイルム「ファビピラビル・アビガン」 増産

富士フイルムから、アビガン増産の発表が出ました。関連する記事が多いので、ブロックになっているリリース文の下に全部まとめておいてあります。 必要な記事を読んで下さい。全部サイト内記事です。この記事の続きを読む ページの下に出ているより新しい記…

スペインの看護助手のエボラ治療を振り返る

さて、スペインの看護助手Teresa Romeroさんですが、本日10月19日に、無事に「エボラウイルス検査:陰性」、という事がスペインの保健当局から発表されました。エボラウイルス感染による肺へのダメージが深刻な為、酸素の補給が必要とされる状態は現在も続い…

ウイルスが危険なら取り除こう

ウイルスに感染して病気になり、その状態から回復する「治癒」という状態の本質は、「体内のウイルスに対抗して感染者の免疫系が抗体を作り出し、ウイルスを撃退する」、です。治療措置というのは、身体がウイルスに打ち勝つ事を助ける為のもので様々な手段…

タバコはエボラウイルスと闘う

「タバコ(tobacco)」というのはある植物の名前です。それは「喫煙」という非常に健康に対して悪い影響を与える習慣と共に語られる事が多い、少々肩身が狭い植物なのですが、実は今回のエボラ出血熱の流行では、一躍「ウイルスとの闘いを助けてくれる植物」…

スペインの看護助手、間もなく「ウイルスフリー」へ

朗報です。スペインで2人の神父様達の治療に携わり、その後にエボラ出血熱を発症し、一時は危篤、とされる状態まで容体が悪化していた看護助手のTeresa Romeroさんですが、数日前に、やっと「飲み物が飲める状態になり」、そのまま回復軌道に乗ってくれる事…

WHOがセネガルをエボラフリーと認定

セネガル(Senegal)は、西アフリカでエボラ出血熱が発生した国の一つです。WHOは今日、セネガルがエボラウイルスによる流行を制圧した事を認め、「エボラ清浄国:エボラフリー」認定を出しました。 少し、そのあたりの事情について説明します。記事の続きを…

ダラスの看護師は無事NIHに到着

昨日、Texas Health Presbyterian Hospitalで、米国での初めてのエボラ出血熱発症者になったリベリア人男性のThomas Eric Duncan氏の治療を担当し、その後にエボラ出血熱を発症した二人目の看護師である「Amber Vinson」さんが、アトランタにあるEmory Unive…