エボラ記事を読むための前提になる情報

「ZMapp」

「TKM-Ebola」

  • カナダのテクミラ・ファーマシューティカルズ(Tekmira Pharmaceutical)社の製品
  • RNA干渉によりウイルスの増殖を阻害する。
  • 米国での臨床試験で、免疫システムへの悪影響が懸念されるとして、試験が一度禁止された。
  • 今回の緊急事態をうけてFDAが口頭で8月8日に認可を伝え、人間での試験が再開される、と会社が発表した。

「ファビピラビル」

  • 日本の富山化学工業の製品。提携先は米国のメディベクター
  • RNA阻害剤(インフルエンザウイルスのRNAポリメラーゼ阻害剤。活性体の三リン酸体に変換されて阻害)。ウイルスの増殖を邪魔する。
  • 「高病原性インフルエンザの薬物耐性株」が出現する事に備えて日本で開発された。すでに製造販売承認が出ている。
  • エボラ出血熱で医師が裁量によって使用する事に問題はない」、という8月15日の厚生労働大臣のコメント有り。
  • 国防総省報道官によると、エボラ出血熱に感染したサルに同薬を投与して効果を確認する作業を進め、9 月中旬には暫定的な試験結果を得られる見通し


医薬品の開発・製造のプロセス

  1. 化合物の探索
  2. 非臨床試験(GLP)
  3. 臨床試験・治験(GCP

その段階をクリヤして初めて「承認申請」が行える。
製造、品質管理、出荷・卸販売にも審査がある。

エボラ出血熱での死亡者数と死亡率

  • 病気を引き起こしているのは「エボラウイルス Ebola hemorrhagic fever」
  • 今回の西アフリカでの流行の致死率は50%〜60%
  • エボラ出血熱の死者は、WHOの8月20日の報告で1350人に達した。2日間で100人の増加で、以前感染拡大が続いている。
  • 現時点でWHOが把握している感染者は2473人。氷山の一角である可能性が高いとWHOは自ら認めている。
  • 国別の感染死者数は、リベリアが576人、ギニアが396人、シエラレオネが374人、ナイジェリアが4人。
  • 感染の出発点は「ギニア」。現時点で感染の中心は「リベリア」に移動している

エボラ出血熱では、どんな症状が出ますか?

WHO(World Health Organization)は次のように説明しています。
エボラ出血熱はウイルス性疾患です」
初期症状として次のような状態が現れる可能性があります。

  • 急な発熱
  • 急激に襲ってくる脱力感
  • 筋肉痛
  • のどの痛み

初期段階のこのような状態が変化して病態はより重症化して、下痢や嘔吐が症状として現れ、時にはからだの内部や外部での出血が見られるようになります。

どのような予防策をとったらよいのですか?

WHOの助言は

というものです。

感染者が触れた可能性があるもの(ウイルスに汚染されている可能性があるもの)、例えば家族で共有しているタオルなどには、一切手を触れないようにすることが大切です。