見慣れぬ客たち

「もしかして、研究家ご一行様の貸切り?」

 場所は再び「/.J
 店内の顔ぶれは、いつもと違うものになっていました。

 所々に固まった新しい客たちは、料理用語にも堪能で、kahoさんの言葉に耳を傾けながら隣同士議論をしています。店には聞きなれない料理用語が飛び交い、常連さん達の多くは、軽口をたたく事もやめて話を聞く側に回っています。

 「お茶の実成分が見つからないなら、それは画期的な新しい調味料ではない」、と論じているグループがあるかと思えば、「おやおや。りんごの実をお酢に漬けているのに、出来上がった調味料の成分がブドウの実だなんて、実際にそんな事ができるんなら世紀の大発見だな」と皮肉る声もあり、「実は、あの研究グループには妙な噂があってね」という怪しい情報で盛り上がっているグループありで、店内は混とんとした状態です。

 「あいつの言ってる事って些細な事で、STAP調味料なんてどこにも存在していないってのは、ちょっといいすぎなんじゃないのか?」、といった男が回り中から詰め寄られて、ほうほうの体で逃げ出してゆく姿が有ったり、「これは明らかに不正だぞ。会社の社長に直訴すべきなんじゃないか?」という意見が出たり ・・・ 。


 そして、実は学園都市の料理ギルドの長も、いつの間にか店の隅の暗がりで静かにその議論を聞いていたのでした。他にも妙に貫録のある人達が何人も議論に耳を傾けているその場の様子は、まるでそこが研究家達の会合の場であるかのような、一種不思議な雰囲気を醸し出していたのです。

 これは、いったい何なんだ ・・・ と常連さん達は戸惑うばかり。酒場には噂をききつけた人達がさらに詰めかけ、混雑も増す一方です。

 おや? あそこにいるのはJuuichiJigenさん?


STAP QUEST