日本学術会議は現時点で ・・・

 このような経過をたどって、今、声明が出されました。この文書に責任を持つのは次の方々です。

2014 年 7 月 25 日
日本学術会議幹事会
会長     大西 輶
副会長    小林 良彰
        家 泰弘
        春日 文子

日本学術会議幹事会
第一部長    佐藤 学
同 副部長   大沢 真理
同 幹事    井野瀬 久美恵
同 幹事    杉田 敦

第二部長    山本 正幸
同 副部長   生源寺 眞一
同 幹事     須田 年生
同 幹事     長野 哲雄

第三部長    荒川 泰彦
同 副部長   巽 和行
同 幹事    相原 博昭
同 幹事    土井 美和子

 日本学術会議は3月の時点で会長談話という形をとって「本件について、まずは当該機関による調査によって、真実が早く明らかになることを強く期待します。」という形で「理研」に自浄を促し、対処がなされる事を待ち続け、6月に「研究不正再発防止のための提言書」によってとるべき具体的な方策を示し、それでも「理研」に不正に対処する真摯な姿勢が見られなかった結果を受けて、今回「日本の研究者の代表機関」の意思としてこの「要望と見解」が出されているのです。

 次の文章はそれを頭にいれて読む必要があるものです。

日本学術会議は、昨今、我が国において科学研究の健全性を損なう事案が相次いだことを深く危惧し、声明「科学者の行動規範−改訂版−」1ならびに一連の提言2を発出するとともに、研究不正を防止するための研究倫理教育プログラムの開発を、文部科学省日本学術振興会科学技術振興機構等とともに進めているところです。

今回の STAP 細胞事案の主要な問題点を解明し、対処することができるかどうかは、今後の我が国の科学研究の在り方に大きな影響を与えるものであり、そのために役割を果たすことは研究者コミュニティの責務であると考え、日本学術会議幹事会は以下の要望と見解を表明します。

 
今回の STAP 細胞事案の主要な問題点を解明し、対処することができるかどうかは、今後の我が国の科学研究の在り方に大きな影響を与えるものという書き方がされています。「対処することができるかどうか」という部分は、実際には「まだ、そういう事が出来ていない」という状態を表現しています。

 はっきりした言い方をする場合には「今回の STAP 細胞事案では、未だに主要な問題点が解明されていません。この問題に対処することができるかどうかは、という風になります。

 字面の平易な言葉の後ろに、沢山の研究者達の強い怒りが存在している事を、見落としてはいけません。今回の不正と不正への対処の酷さは、「研究」というものに対する「信頼」の喪失を意味しかねない、とても危険なものなのですから。



大事な文書は「普通のテキストで!」という常日頃からの主張に基づいて、これまでも日本学術会議やそれぞれの学会の声明はブラウザで読めるテキストとして転載してきました。なるべく多くの人達に読まれるべきだ、という考えに基づくものです。
以前と同様に、子供でも少し説明されればわかる様に、説明の文章とリンクをつけています。

続く
STAP QUEST