データを分析してみるとそれは「ES」

 時系列で振り返ると、実際には「STAP」と称する細胞が実はES細胞である可能性が高いという事は、kahoさんがNGS解析結果に基づいて「STAP細胞の非実在について」という指摘をした3月の段階で、既に多くの科学者達に認識され、「捏造」が強く疑われていました。

 でも、それだけでは足りないのだ、というも「科学」の作法なのです。その説明の為にBlog記事を一つ紹介します。

STAP細胞のトランスクリプトーム解析について
生命科学 2014-04-20 17:41:05

先日、コメント欄にSTAP細胞のトランスクリプトーム解析に関する考察を貼って頂きました。
この方は、ES細胞とSTAP幹細胞両者のゲノムを次世代シークエンサーで解析した公開データを解析され、ここにあるSTAP幹細胞ゲノムデータは限りなくES細胞と同一であることを指摘された方です。私もその解析と考察は読ませて頂いておりました。

このデータの取得の際に提供されたDNAサンプルがもしかしたら「誤って」ES細胞のものをSTAP幹細胞のものとして出してしまった、と言い訳されるかもしれず、それをもってES細胞の混入だ、と結論できない可能性があります。

簡潔にいえば、彼らには言い逃れの余地がいくらでもあるので、それは決定的な不正の証拠にはならないと思います。ただ、このような考察をして頂くことで、真実解明へ一歩近づいたことは確かです。重要な貢献であり、敬意を表します。
http://blog.goo.ne.jp/yamanekohotaru/d/20140420

 科学者にとって「真実」の追及は本能のようなものなのでしょう。


 当然思いつくことですが、「データではなく、小保方さんが作成した『STAP』細胞を分析すれば、それが何なのか判明する」わけです。ところが、発生・再生科学総合研究センター(CDB)の竹市雅俊センター長は研究所に残されている『STAP』研究の残存試料などの解析にずっと消極的なままだったのです。

[声明]妨害?

日本学術会議幹事会声明
「STAP 細胞事案に関する理化学研究所への要望と日本学術会議の見解について」

 その後の経過を付け加えておきます。kahoさんはその後、6月になって『STAP』幹細胞とされている細胞が「ES+TS」の混合物、『STAP』細胞とされている細胞が「トリソミー変異を持つES」と「普通のマウス細胞」だった事を解析して発表しました。

 トリソミーというのは染色体の異常を現す言葉で、通常はその異常を持っているマウスは母マウスの胎内で死んでしまいます。万が一生まれたマウスがいたとしても、それが複数匹いた事はありえない、という事で「生まれていない仔ねずみから実験用の細胞を採取できるわけがない」という、証拠が出されたのです。(この後、残されていた細胞の遺伝子解析の結果、STAP幹細胞は「TS細胞が混入した細胞」、STAP細胞ES細胞である可能性が濃厚になりました。)

 この解析結果は当然ですが「理研」に報告されました。それは5月22日だったそうです。「偶然や間違いで起きるとは考えにくく、意図的に混ぜ合わせた可能性がある」という説明に対して、「理研」側は「この結果から、何かを結論付けることはできない」として、追加の論文調査はしない、という態度をとり続けました。

 そしてその結果を論文として発表しようとしたkahoさんは、一時「理研」によってそれを阻まれています。論文を、理研内の研究者組織「科学者会議」と議論してから投稿するよう求められたのです。「理研」が所属する研究者の論文投稿に条件を付けるのは極めて異例だそうです。その状況を把握した「研究不正再発防止のための改革委員会」は、「理研」内部で何が起きているのかを明らかにするために、提言書で事実に関して言及をするという決定を下しました。

日本を代表する研究機関である理研で起きた前代未聞の研究不正の解明にあたり、理研内で真相と科学的真実の解明のため勇気ある行動をとっている研究者が複数名いることは、理研にとって大きな救いである。本委員会はかかる研究者の勇気に敬意を表すると共に、このような行動により不利益な扱いをされることがないよう、理研に対し、強く求めるものである。 (提言書 第5 結語 より)

[声明]『STAP』細胞の存在の有無は「まだ結論を出せない」

 そういう状況下で、「理研」はまだ状況は判断できないと主張し、時間ばかりが過ぎてゆきます。また「文部科学大臣」や文部科学省の匿名の誰かが、小保方さんを擁護する発言を繰り返しました。

竹市氏は、STAP細胞として公開されている遺伝子データに、ES細胞を培養したときに生じることがある染色体異常が見つかったとの指摘について「解析自体は科学的に正しい」と認めた。その上で、「論文に掲載したデータの扱いが適切ではなかったため、遺伝子解析の根拠となった細胞が、どこから来た何の細胞だったのかなど未解明な点がまだ多い」として、STAP細胞の存在の有無は「まだ結論を出せない」と答えた。CDBは、保管している細胞などの遺伝子解析を続けているという。 (朝日新聞 2014年6月20日より引用 http://www.asahi.com/articles/ASG6M4G9YG6MUGTB00F.html

 なお、理研内部での自主的調査では、発生・再生科学総合研究センター(CDB)の所長である竹市氏が「適切ではないと私が考えたものは削除させた」、と発言した事も報道されています。当事者がそれをする場合「証拠隠滅」を疑われる事もある、非常に懸念される話です。



大事な文書は「普通のテキストで!」という常日頃からの主張に基づいて、これまでも日本学術会議やそれぞれの学会の声明はブラウザで読めるテキストとして転載してきました。なるべく多くの人達に読まれるべきだ、という考えに基づくものです。
以前と同様に、子供でも少し説明されればわかる様に、説明の文章とリンクをつけています。

続く
STAP QUEST