とあるギルドでの会話

 さて、学園都市にあるこの研究家ギルド。直接料理をする人たちのギルドではありませんが、料理ギルドとは密接な付き合いがあるギルドです。

 ギルド長はたくさんの若い研究者を育成し、広く名を知られている人でもあります。今回の話でも「自分の所の事ではないが、茶の実成分は私の専門分野だし、あのレシピにはきちんとした説明がない」、とレシピについて疑問を投げかけていました。いろいろな新聞の記者達が、説明してくださいとお願いしていたのも、このギルド長です。だからギルドの若い研究者達は、ギルド長が何を疑問に思っているのかよく知っていました。


 さっきの若い研究家が、ギルド長の部屋に入ってきました。

 「先生。このあいだおっしゃっていたSTAP調味料のお茶の実成分の事ですが、隣町の酒場でSTAP調味料なんて偽物だ、っていっている男がいるそうです」、と言い始めた若い研究家に、ギルド長は聞いたことがあるような言葉を返しました。「酒場の酔っぱらいの言葉を真に受けてどうする。近頃は、それがいったい何なのか解っていない・・・」、と続けようとするギルド長に、若い研究家は黙って先ほどの紙を差し出しました。

 しぶしぶ読み始めたギルド長の顔が、みるみる真剣なものに変わってゆきます。 「馬の用意をしてくれ。これは行って確かめねばならん。場所は分かるのか?」

 こうしてギルド長は、学園都市から隣の街の酒場に自ら出向き、「そこで何が語られているのか」を確かめることになったのです。

STAP QUEST