ねずみなら、任せてください

 さて、次の登場人物は料理研究家の若山さん。この人は世界的に有名な「ねずみにとても詳しい先生」です。

 「料理の話なのにねずみ?」と思った人は、前に出てきた「新しく考えられた料理が、人間が食べても大丈夫かどうか確かめるには ・・・」のところを思い出してください。料理を作る人達にとって、いろいろな事を確かめる為の動物として、ねずみはとても大切な生き物なのです。

 若山さんは、これまでにも世界で初めて、『クローン』という毛の色や体つき、血液型などの全部の特徴が同じになるそっくりさんねずみを世界で初めて作ったりしている有名な研究家で、しかもとても真面目に一生懸命研究をしている人としてみんなに知られていました。

 だから、「どうも『STAP』調味料っておかしな所があるんだよな」、という疑問を持った人たちの中にも、「でも、あの若山さんが自信をもって、STAP調味料はあります、って言ってるんだから、きっとあるんだろう」、と考えている人もいたりしたのです。

 若山さん自身は、『STAP』調味料を作った事に自信をもっています。たとえば、2月末のインタビューで、若山さんはこんな事を話しています。

質問者:STAP細胞に対して自信は持っていますか
若山さん:私は(仕事の場所を理研から山梨大学に変えたのですが)、理研にいた頃マウスの脾臓からSTAP細胞を作る事には成功しています。一度だけですが。作った時には小保方さんによく教えて貰いました。だから私は、一年以内に誰かがSTAP細胞の構築が成功したという報告をしてくれると信じています。

質問者:山梨大学での再現性が低いときいていますが
若山さん:そういう状態は起こりうるものです。私について言えば、仕事をする場所を移した際に、今まで作れていたクローンマウスの作成が再びできるようになるまでに半年かかりました。自分の技術でさえそうなのですから、他の人の技術なら再現が難しいという事は十分に納得できるものです。

若山さん:以前私がSTAP細胞の作成に成功した時は、小保方氏の指導の下、全て自分で行いました。

若山さん:私は逃げません。私の結果は全て正しいからです。しかし新技術の再現には時間が掛かるでしょう。ドリーでさえ1年半後に再現されました。ヒト由来のクローンES細胞も未だ再現されてないのです。最低1年待って下さい。私か誰かが再現するでしょう。

 若山さんは『STAP調味料』が作れない。どうもおかしいという声にも動じません。その言葉は「私は私の技術に誇りを持つプロであり、仕事に全力を尽くして得た結果にも自信を持っている」、という事を示しています。


 でも一方、こんなつぶやきも有ったのです。

追試の不審な点は「小保方がいないと実験に成功しないという若山さんの発言」に集約されてる。条件を全て知ってるコレスポオーサー(この人はマウスの世界的権威)ができない論文を他人が追試できるはずがないと思う

 『シェーン』という名前が浮かんでいた人もいたかもしれません。

STAP QUEST